imash の日記

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吉良

両国ですっかり迷子になってさまよっていると、偶然吉良邸跡にたどり着く。
「吉良」とはもちろん忠臣蔵の仇役の吉良である。忠臣蔵って毎年年末になると討ち入りしているが、自分はあまり好きでは無く、一度しか見たことがない。切られたのは吉良上野介で討ち入りされたのも吉良邸なわけで、なぜその討ち入りが忠義なのか?イマイチ理解出来なかったからである。


「『大儀』が殊更物々しく持ち出される時人が大勢死ぬ。快挙とも義挙ともはた壮挙とも云われる義士の討入はまぎれもない参事だと思う。」という書き出しで始まる、杉浦日向子さんの「吉良供養」という漫画ともなんとも言えない著書は、図面・記録・証言を元に時系列に一晩の出来ことを考証していく。
その中で明らかになるのは、吉良家の家臣は全く無抵抗で、わけも分からず切られており、後半抵抗する人も出てくるが2、3人程度であり、完全なワンサイドゲームの大量虐殺であるという事実である。

日向子さんの家は吉良家と関係のある土地(米沢)の出身だったらしく、吉良側の視点から書いたのだろう。視点を変えることで全く逆の事実が浮かび上がってくる分かりやすい事例である。最近でも似たようなことは多発していますよね。自分には忠臣蔵がもてはやされる理由がよくわからんのです。


かつて二千五百五十坪あったという広大な吉良邸は、今では、両国の街角にひっそりと供養堂などがあるのみである。

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