imash の日記

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プロデュース公演

熱にうなされると普段決してしないような行動に出ることがしばしある。今日は「婦人公論」を立ち読みしてみた。もちろん生まれて初めてである。その中で三宅裕司が興味深いことを言っていた。

『劇団を持たないというのは正解だね。いったん入ってしまうと、団員は止めない(笑)。こいつ使いたくないな〜と思っても使わなきゃなんない。ただ、劇団だとプロデュース公演では出来ないことに挑戦できる。いつも団員に言っているのは「プロデュース公演に負けるな」。いくら演技のうまい人、笑いのうまい人、歌のうまい人を集めても、必ずしもおもしろい物にはならない。劇団では、例えば、津軽三味線とか声だけのビックバンドサウンドとか40人の団員が一年かけて練習しなければ出来ないようなことを取り入れることができる。それが自分がプロデュース公演ではなくて劇団での公演にこだわることの一つの理由だ。』

と、だいたいこんな感じだったと思う。

今回札混でやった受難曲のような曲は、プロデュース公演、つまりこの曲のために合唱団員を集めて公演を行うのが普通のやり方なのではないか?という声もあった。実際のバッハの受難曲やベートーベンの第九、ヘンデルメサイアなどはそういう公演形式をとっていることが多い。今回のディストラーの受難曲は、どんなに上手な人たちを集めても10数回程度の練習で仕上げるのは困難だったと思う。しかも、日本中探してもこの曲を歌った経験のある人はほとんどいないはずだ。一年間じっくり練習を積み重ねられる合唱団だったからこそ出来た公演だと信じたい。


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