ここ数年、まともな本を読む量が減った。去年は特に少なかった。なので、ベスト3といっても、読んだ本の中からはほとんど選ぶ必要がないような状況だった。例年と少し変わっているのは小説を読んだということ。しかも2冊。小説を読むのっていったいいつ以来なのだろう。そして、そのどちらも大変面白かった。
ちなみに過去のはこちら:「2018年に読んだ本ベスト3」、「2017年に読んだ本ベスト3」。
1.ホモ・デウス (上・下巻)
サピエンス全史がヒトがどこから来たのかという話だったとすると、ホモ・デウスはヒトはどこへ行くのかという話。特に下巻になるといままで考えたこともないことが語られるので面白いのだけど頭がパンクしてくる。私たちには自己というものはあるのか?科学技術の発展は、人類が長い年月をかけて発明してきた概念をそのままではいさせてくれない。消化しきれていないので、これは数年後にもう一度読み直す。
2.眩 (くらら)
北斎の娘、お栄を描いた小説。NHKがテレビドラマ化していた。テレビドラマではお栄と善次郎の関係が中心に描かれていたが、この小説はもっと作品作りに焦点が当たっている。絵を描く緊張感。富嶽三十六景神奈川沖浪裏を描くときの緊張感。お栄の傑作、夜桜美人図を描く時の善次郎とのやりとり。同じく傑作三曲合奏図を描く時の善次郎の妹たちとの記憶。など、もちろんフィクションなのだろうけど、この小説を読んだ後に作品を見るとまた違って見え方がしてくると思う。
3.三体
大ヒットしていたので読んだ。SFを読むのはいつ以来だろうというくらい久しぶりなのだけど、これがSFだということを理解するのにずいぶんと時間がかかった。最初延々と続く文化大革命の描写でだいぶ心が折れそうになった。いや、そもそも登場人物一覧で心が折れそうになったが、頑張って読んでいるうちにどんどんと引き込まれていった。面白いです(月並みな感想)。3部作らしいが次作を読むかはわからない。