VIS2016 3日目 前編
VIS2016の本会議が始まりました。今年の正式な参加者数は公開されていないのですが、グラフからは1000人を少し超える程度ではないかと思われます。若干少な目かなー。2017.1.19修正
VISキーノート
キーノートは"Visualizing knowhow, technological diffusion and the wealth of nations" by Ricardo Hausmann。国の裕福さとその変遷を産業構造(どういう製品を作っている/輸出しているか)から見てみるというお話。多様な製品に関わっているか、単一の製品に依存しているかで裕福さが違ってくる。それぞれの国がどんな製品を輸出しているかで二部グラフを作って、製品の類似度グラフを作ってみると、国における輸出多様性と製品の関係も見えてくる。
製品多様性を保つように産業構造を変化させていった方が経済成長が激しい様子をガーナとタイの例で示す。
Atlas of Economic Complexity web site:The Atlas of Economic Complexity |
まとめページを作成しました。
VASTの統計情報
- 投稿件数:157件
- TVCGトラックとして採択(論文誌に掲載):33件(21%)
- カンファレンス・トラックとして採択(会議の予稿集にしか掲載されない):14件(9.5%)
- ポスターは投稿28件で採択24件(85%)。今年はポスター会場が広いので採択率高めかも。
国別ではアメリカと中国が圧倒的という最近の傾向をさらに加速させています。ただアメリカといっても中国人留学生が多いのが現状です。
採択されやすいキーワードに関する分析もしていました。Geo系は明らかに厳しい状況です。トレンド的にもGeo系が下がってML系がグッと上がっています。採択されたもので見てもGeo系がグッと下がっています。ちょっとレッドオーシャンになりすぎた感じがしますね。
Test of Time Award:
この10年から20年の間にVASTのランドマークになった研究を表彰するというイベントがありました。
- A Visual Interface for Multivariate Temporal Data: Finding Patterns of Events Across Multiple Histories [J.Fails, A.Karlson, L.Shahamat, B.Shneiderman, '06]
おまけ:
昼飯:Crab Cake@Phillips
晩飯:VIS Arts Programのオープニングイベントで一杯目、続きはいつもの店(Pratt Street ALE HOUSE)で。。。もう3日連続なのだが、他にないのか、といわれそう。はい、ないです。近くて安全で安くて旨いの4拍子揃っているので他を探すメリットがあまりないのです。
VIS2016 2日目
VIS2016の二日目は午前中はVDS(Visualization in Data Science)、午後はThe Event Event: Temporal & Sequential Event Analysisというワークショップに参加。The Event Eventではポスター発表もしてきました(飲んでばかりでなくて一応仕事もしておりますよ、という報告)。
VDSの最初のキーノートでMITのSarah Williamsさんがdigital matatusというプロジェクトの紹介をしていて大変面白かった。データをあつめてメトロマップのように可視化して施策に活用しようという話で、ナイロビの混雑状況を解消しようという話を中心に紹介。そのほかにもデータから中国のゴーストタウンを見つけようという話とか。
- digital matatusのページ:DIGITAL MATATUS
- プロジェクト紹介ページ:DIGITAL MATATUS | MIT Department of Urban Studies and Planning
- プロジェクト紹介ページ(こちら分かりやすい):
Digital Matatus project makes the invisible visible | MIT News
- 上記ページのグーグル翻訳結果:
- Sarah Williamsの研究室(Civic Data Design Lab)のページ:Civic Data Design Lab
おまけ:
昼飯@Jimmy John's Sandwitches
晩飯@Pratt Street ALE HOUSE
おまけ2:
※2016.11.26更新
VIS2016初日
可視化のトップ会議であるVISが今年も始まりました。ボルチモア、怖いから来たくはなかったのですが、トップ会議だから仕方がないのです。最初の二日間はワークショップとチュートリアル、続く4日間が本会議で、1週間可視化漬けになります。
VISはサイエンティフィック・ビジュアライゼーションに関する会議(SciVis)、情報可視化に関する会議(InfoVis)、ビジュアル・アナリシスに関する会議(VAST)のそれぞれの分野のトップ会議の集合体(VISという名前も3つの頭文字からとっています)で、可視化の分野ではまさしくトップ・オブ・トップの会議になります。昔はVisWeekと言っていました。
で、初日は以下のワークショップとチュートリアルをうろうろしていました。
- LIVVIL: Logging Interactive Visualizations & Visualizing Interaction Logs
- 2nd Workshop on Eye Tracking and Visualization (ETVIS)
- Visualization Analysis and Design
LIVVILは単にログを可視化しましょうという話ではなく、LogVis(Logging Visualization)要するに可視化システムにおける操作などを記録していって活用しようという話と、VisLog(Visualizing Logs)そのログを解析する可視化システムをどのように構築するのかという二つの切り口から議論するワークショップでした。特に前半の話は今まで評価系の論文以外ではあまりなかった話でそれなりに新しいトピックかなと。ただ、何をどのようにログを取るのかという話が中心で、それで何をやりたいのか、というところがまだまだ不透明な感じです。ログからエキスパートと初心者の違いを解析するとかログを単に再生するとか以上の活用法がまだまだありそう。
ETVISはアイトラッキングを使った可視化の話で、トラッキングデータを可視化して解析する仕組み、可視化結果のユーザの分析にトラッキングを使うというあたりが中心。アイトラッキングを可視化のUIに使うという話はまだないのだろうか?
Visualization Analysis and Designはタマラさんの本のチュートリアル。
Visualization Analysis and Design (AK Peters Visualization Series)
- 作者: Tamara Munzner
- 出版社/メーカー: A K Peters/CRC Press
- 発売日: 2014/12/01
- メディア: Kindle版
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資料はタマラさんのページにあります。 Tamara Munzner: Talks
おまけ:
昼飯@Jimmy John's Sandwitches
晩飯@Pratt Street ALE HOUSE